車に乗るときにどうしても気になってしまうのが燃費。
エコドライブを心掛けている人はもちろん、
スポーツドライブが好きで燃費をさほど気にしない人でも、
給油回数が多くなるとウンザリすることもあるはず。 

最近の車だと「燃費35km/L!」(1リットルのガソリンで35km走るよ!)
とか燃費の良さをウリにしていることが多いですよね。
でも、燃費って少しでも良い方がお得なのでしょうか。
燃費が良くなると、どんなメリットがあるのでしょうか。

今日は「燃費至上主義」に対してNoを突き付けたいと思います!

……という記事を書こうとしたら爆死したので報告したいと思います! 
結論から言おう。燃費侮れない。

◆そもそも燃費って◆

そもそもの話、燃費が良い悪いってどういうことでしょう。

燃費を表しているなんとかkm/Lというのは、
1リットルのガソリンで何km走れるか、を数値にしたもの。
当然数字が大きければ大きいほど、
1リットルあたりの走行距離が長いということになり、お得です。

燃費は車が重ければ重いほど、また力強ければ力強いほど悪くなります。
ただし「燃費の良し悪し」については、
普段乗っている車種や走行する場所などによって、
個人個人の主観が変わってくると思います。

郊外をエコカーで走っている人は15km/Lでも悪いと感じるだろうし、
街中をスポーツカーで走っている人は10km/L超えたら良いと感じるでしょう。

個人的には実燃費(実際に走行してみたときの燃費)が
10km/Lを下回ってくると燃費が悪い
10~15km/Lでふつう
15km/L超えてくるとそこそこ良い
20km/L超ですごく良い・・・って感じます。

◆燃費の良い車種・悪い車種◆

四輪駆動車は4つのタイヤを上手く駆動させるために余分なギミックが必要で、
その分車重が重くなっています。 
すなわち、燃費は悪い。
この手の車種だと実燃費でだいたい10~15km/Lくらいが目安になりますかね。
スバル・レヴォーグ3

スポーツカーは大排気量のエンジンで力強く加速するために大量の燃料を消費します。
すなわち、燃費は悪い。
実燃費だと10km/Lを下回るものも。
日産・GT-R

大人数で乗るミニバンも燃費の悪いものがありますね。
カタログ燃費だけ見てると思ったほど悪くないように感じますが、
ミニバンユーザーは大勢の人や荷物をたくさん積みこむパターンが多く、
実燃費はガクッと落ちることがあります。
大人数→数百kgのおもりと同じなので、これは致し方ないかも。
日産・エルグランド

軽自動車やコンパクトカーは燃費が良さげ。
「軽」と名乗っているだけあって、とっても軽いです。
エンジンが小さいのでパワーはありませんが、
軽さでそれを補って余りあるので燃費の割にスイスイ走りますよね。
(長距離ドライブはきついけど)

最近の軽自動車だと実燃費20km/Lは余裕でこえるものが増えているようです。
その代わり燃料タンクが小さくなっており、給油回数は少なくないとか。
スズキ・アルト

ワゴンやミニバンでも、ハイブリッド化されているものは当然燃費はよいです。
ただし、ハイブリッド化そのものは車重を増やすことになります。
そのため、はじめからハイブリッド車として計画されている車種は
ボディの軽量化を重点に置いて設計されるものが多いです。
実燃費だと、10台後半から20km/Lくらいでしょうか。
 トヨタ・プリウス

ここで重要なのは、「燃費」と「走り」のバランスです。
街中で少しだけ乗るならハイブリッドカーや軽自動車で良いと思います。
長距離ドライブだとハイブリッドのメリットが薄くなりますし、
軽自動車だとタンク容量が少ないのがネックになります。

雪道や悪路での走行性能は四駆のほうが良く、
軽自動車では追突されたときの安全性能に難点アリと言われます。
安全性能を燃費で買っているわけです。

車選びで重要なのは使用する目的と費用を比べたとき、
「どこまで妥協するか」ですね。
自分に合った車を選びたいものです。

◆本題:燃費が1上がると何円得する?◆

さて、昨今の自動車販売傾向を見ていると、
燃費が少しでも良いことをアピールポイントにしている車が多いと思います。
次いで安全性能をウリにする車。

しかし、高級車や四駆ほど安全性能が高く、
軽自動車や一部のハイブリッドカーは安全性は高くないと聞きます。
先の項で「安全性能を燃費で買う」と書きましたが、
実際にはどれくらいの差があるのか試してみましょう。

ハイこれ。エクセルで計算してみました。
走行距離が500km前後で満タン給油することを前提に、
燃費ごとのガソリン代を算出しております。
(燃料代は2015年6月末の数値を参考に)
燃料費(500km走行時)

これを見ると、燃費が1ケタ~10台前半くらいまでは、
燃費1に対する料金の変動が大きく、
燃費が良くなるにつれてそこまで大きな変動が無いことに気づきます。

それもそのはず。
計算式を見ると
給油代=(走行距離×燃料代)÷燃費
となっており、これは割り算を使った反比例の式になっています。
(反比例って言葉、小学校でやったよね!懐かしいね!) 

ですので、ある程度の燃費さえ気にしておけば、あとはそれほど変わらない。
何も37km/Lの車と35km/Lの車で比較するとき、
燃費の差なんて気にしなくて良いのです。

なぁんだ、じゃあ「燃費が少しでも良い車」よりも
「走りの素晴らしい車」のほうが良いじゃん!

と思っていたのですが、ふと思う。
10万キロ(車買い替えの目安)走ったら、どれくらいの金額の差になるのだろうと。 
エクセルの数値を変えるだけなのでカンタンカンタン♪
燃料費(10万km走行時)

って、なんじゃこりゃあああ!?
燃費10km/Lの車と燃費20km/Lの車だと、約70万円の差額が発生する…だと!?
10万キロも乗らないという場合でも、5万キロ走った時点で約35万円の差が。
いやはや、燃費侮れないな…

◆燃料による費用の差◆

上の図を見ていただくと気づくと思いますが、
意外なことに、「ハイオク」「レギュラー」といったガソリンの種類の違いでは
思っていたほど出費に差がないこともわかりました。
ハイオクはレギュラーガソリン+10円くらいの差ですからね。

さすがに軽油は少し安いか。
レギュラーガソリンと比較すると-15~20円といったところ?
10万キロ走行時だと10万円ほど変わってきます。
マツダ・デミオ
マツダ・デミオ。ディーゼルモデルとガソリンモデルの両方が存在する

でも、軽油で動くディーゼルエンジンモデルって、
現状はガソリンモデルより少し高めの値段設定ですよね。
(生産台数が安定して増えていけば値下がりするかも!)

ハイブリッドモデルも同じ。
モーターやバッテリーといった追加の機構を要するために車両価格は
ガソリンモデルよりも10~20万円ほど高くなっていることが多いです。
スバル・インプレッサスポーツハイブリッド
インプレッサスポーツにもハイブリッドモデルが追加された

「元を取るぞ」という発想で車を選べるのは、
元々長距離を運転するドライバーに限られるということでしょうか。
とくに短距離ドライバーや休日ドライバーだと元を取るのは難しいでしょう。

「燃費の差」だけを見てディーゼルを選ぶとか、
ハイブリッドを選ぶとか言うのはやめて、
それぞれのエンジン・燃料の特長を見て選ぶようにしたいですね。 

自分の求めるもの。
安全性能?走破性?安定性?居住性?機能性?それともやっぱり燃費?

全てをちゃんと考慮して車を選ぶのがスマートではないでしょうか。
安易な「燃費至上主義」や
過度な「アンチハイブリッド主義」に陥らないようにしたいですね。

◆まとめ◆

というわけで、長距離乗れば乗るほど燃費の差はバカにできないことがわかりました。
逆に言えば長距離を乗らない人であれば、
燃費はさほど気にしなくてもよいということです。

あとはカタログ燃費に騙されないこと。
あれはプロのドライバーができるだけ効率の良い走り方を何度も試して、
いちばんよかった数値を採用しているものです。

実燃費はカタログ燃費の7割くらいかな?
ハイブリッドモデルだと落差がより激しいみたいです。

なんにせよ自分のライフスタイルや目的に応じて車を選ぼう!
という形でとりあえず締めさせていただきます。